自作。というか自作じゃないです。鎌池さんの「とある魔術の禁書目録」の番外編みたいに小説書いてみます。じゃなくて書いてみたかった。鎌池さん設定を若干勝手に使ってマジごめんなさい。とあるシリーズがマジで好きなもので小説書くのが好きな私は小説を書いてみたかったんです。アニメしか見てないのでそこまで期待しないで下さい。というかそれ以前にこれは練習用なので面白いかなんて期待しなでください・・・。それでも『おk』と思う心優しい方はご覧になって下さい。



その少年は学園都市の街中をぶらぶら杖を突きながら歩いていた。ふと横を見ると若干騒がしい感じで車が頻繁に行き来している。そして前に視界を戻せばいたって普通の服装、独特な服装、スーツを着た大勢のいろんな人たちが少年の横を通り過ぎてゆく。今日は休日。そのせいか結構な数の人間が歩いていた。そして、空を見上げれば風力発電の羽の頭、雲が薄くある真っ青な空、廃ることなくじりじり常に足元、少年と通行人を照らす元気な太陽があった。今日の「空」という広大な支配権は太陽が握っているようだ。
「・・・・・クソッタレ。暑いな。畜生。」
少年はそう一言吐き出すように言うと、杖を突きながら歩んでいた足を止め、空に手をかざす。彼は少しだけ、ぼんやりと金色に元気に輝く太陽を眺めた。そのせいで日差しが眩しい。
「・・・・・。」
だが少年はかざした手を直ぐに戻した。暑いのは少年は嫌いだったから。そして自分は一体何をしているんだ?と思ったから。人が大勢いるこの場を早く後にしたい。そう思って少年は自然と止まっていた自分の華奢な体を再び杖を突いて動かした。炎天下の中、通行人が何回も通り過ぎていく中でひときわ目立つ独特の杖をついている少年。少年はスタスタと歩いてすれ違う通行人と違い、そのような歩行が少年にはほとんどできなかった。ある事件の解決以降ずっと歩行がまともにできない。特殊な時以外は。だが少年はその事をまったく不便と感じたことはない。むしろこれで良かったんだ。と少年は感じていた。自分がやった事に対し、後悔を覚える事すらも微塵に無かったはずだ。
「・・・っち!クソッタレが・・・。」
だがそれでも少年は葛藤していた。かつて自分が行った事の全てに関して。ただ無敵の力を獲る為に傍若無人で虐殺した最悪の過去について。あの事件であいつ等、あのガキを救ったと言えるのか。やはり俺はそれらを償う為には俺は生きていてはダメなのではないのか。様々な葛藤が事件が収束した今でもまだ頭に浮かぶ。そんな事を考えながら杖をついて歩いていた。・・・・・聞こえる。大勢の様々な通行人が会話しながら通り過ぎるそんな中でもその声ははっきり聞こえる。幼い声に若干テンションの高い声を混ぜ込んだような独特の女の子の声。
「アクセラレータ〜!」
「!」
その声は一瞬だったが、鮮明に聞こえた。なにか知らないが救済を求めているような聞こえ方もする。少年は若干面倒くさそうに声の聞こえた方に体を向ける。顔を向けたその方向をよく見ると彼を呼んだ声の主は後ろの歩道の真ん中らへんで小さい体が通行人に押し流されそうになっていた。
「わ~!助けてほしいかもってミサカはミサカは貴方に頼み込んでみたり!!!」
そう言って少女は様々な通行人に流されている中でやはり救済を求めていた。
「っち・・・めんどうくせえな・・・。」
少年はそう言って杖を突いて体の向きを返して、声の主に近づいて行った。
「そら。何やってんだこのクソガキ。」
少年は少女の手を握ると力任せに一気に通行人の中から引きずり出した。
「痛い!痛~い!!!もうちょっと優しく女の子はこういう所から救出するべきだと思うよってミサカはミサカは憤慨してみたり!」
半ば無理矢理、人ごみから救出された少女は力任せに無理やり手を引っ張られ、引きずり出された手の平の痛みの事に怒っていた。
「お前が人ごみに流されそうになっているのが悪い。そしてついて来るのもおせえ。なにやってんだ?」
「な?!私は小さい女の子なんだよ!?ついてくるの遅くなるのは当然の事だってミサカはミサカは更に憤慨してみたり!」
少女はそう言って足元をぺんぺんぺんぺんぺんペんと両足で大きく地面に小さい靴で地団太を踏み、少年を見上げて風船のように頬を膨らませ真っ赤になって怒っていた。     
少女の名は「ラストオーダー」という。普通の名前じゃない理由は彼女が人工的に造られた事にあった。ある事件の際、少年はラストオーダーを執念で救い出し、それ以降少年はラストオーダーを気にかけており、何か問題が発生すればラストオーダーを第一の救う目標とし、少年は救い出す為ならなんでもする。そのぐらい少女を気にかけていた。水玉のキャミソールに小さい白衣、茶髪に特徴的な大きいアホ毛、おでこらへんに大人用軍事用ゴーグルのゴムを調節した物を着けている謎の格好をした小学3年生ぐらいの女の子。それがラストオーダーであった。だが頭につけている大人用軍事用ゴーグル。購入などはしておらず、ラストオーダーがある人物から盗った盗品である。今日はそれ以外にもピンク色の小型の物が入るハートマークの付いたポーチも身につけている。
「今日はミサカの為になにか食べさせて、楽しませてくれるんだよね!?とミサカはミサカは再度確認してみたり!」
しばらく経ってからラストオーダーはようやっと機嫌を若干取り戻し、上目使いで聞いてくる。
「黄泉川がお前を楽しませろ。って突然言ってきやがったんだよ。金だけ渡して適当な所で楽しませろ。で、閉め出し。意味わかんねえしなんで俺がこんなクソめんどいこと・・・・・」
「もうっ!愚痴はいいから早く行くよ!ミサカは早く色んな事楽しみたい!ってミサカはミサカは本当の心中を吐露してみたり~!」
ラストオーダーは少年のか細い手を握ると見上げて少年の顔を見て満面の笑みでニコッと笑った。
「・・・・・ちっ・・・・・クソッタレが!」
そう文句を吐きつつもラストオーダーはそれを聞かず、少年の手か細い手を引きずっていくのを止めない。だが、少年はこの無理矢理さを嫌と思っている訳ではない。ラストオーダーもそれを理解している。だからこそラストオーダーは無理矢理さを出し、少年に触れる。そして少年は諦めたかのようにため息をつき、ラストオーダーと共に通行人の多い歩道を少年は杖を突き、歩き出した。


少年の名は「一方通行(アクセラレータ)」という。もちろんこの名前が本名ではない。アクセラレータいわく、五文字の普通の名前だったそうだ。アクセラレータが本名を知らないのには理由がある。「若干の記憶を失っている。」これが本名を知らない原因だった。ただアクセラレータはそんな事は一切気にしていない。ただ、日々を毎日生き、日々ラストオーダーを守り、日々周りを警戒していた。そんなアクセラレータはかつて学園都市の第一位のレベル5。「最強」の傍若無人の最悪の能力者だった時がある。御坂美琴という同じ第三位のレベル5のクローンを大量虐殺してレベル6「無敵」へとなろうとしていた最悪の悪人の時が。しかし悪事、レベル6になることは突然の「正義の制裁」によって全て打ち消された。上条当麻。彼の出現により、アクセラレータの「最強」のレッテルが剥がされて、若干乱暴ながらもアクセラレータは救われた。アクセラレータはまだ気づいていない。ラストオーダーはアクセラレータにとってかけがえの無い大切な人物である事に。



「ミサカはここにもう一度来てみたかったの!ってミサカはミサカは懐かしめに言ってみたり!」
そう言ってラストオーダーは自分の背丈の何十倍もある雲に吸い込まれそうな懐かしい店の看板を一生懸命に見上げて眺めていた。
「・・・・・オイ。この場所ってファミレスじゃねーか。」
そうアクセラレータは呆れた様にラストオーダーに言う。彼らが来た場所はラストオーダーがアクセラレータに初めて出会い、ご飯をアクセラレータに奢ってもらい、食べさせてもらったファミレス。普通の人にはただのファミレスにしか見えないが、ラストオーダーはこの場所を思い出のある場所としてはっきり覚えていた。
「早く店内に行こう?お腹減った!何か食べたいな。ってミサカはミサカは急ぎ目に語ってみたり!」
彼女は相変わらずの可愛らしい見上げ方で元気よくニコニコ笑いながらアクセラレータにそう言ってくる。
「あー。分かった。分かりましたよ。少し落ち着けよ。ほんと。」
ぶっきらぼうな返事でラストオーダーに応え、アクセラレータ達はファミレスの店内に入った。店内の様子は来た当初と相変わらずの様子だった。傘のあるつり下げられた電球、あんまり色がない店内、四人がけのソファ、独特な椅子、色々な物が置かれているテーブル、人の賑やかな姿、ドリンクバーと。店内に入ったラストオーダーは思いっきり目を輝かせて懐かしんでいた。
「わーい!懐かしいなあ!ってミサカはミサカは興奮してみたり!」
そう言ってラストオーダーはかくれんぼ探しの鬼ように座る席を楽しそうに探した。
「なんでこれだけで楽しめんだよ。ほんとにわかんねえやつだな。」
アクセラレータははしゃぎまくっているラストオーダーを見て呆れ返っていた。
「まあしかし人が多いな畜生・・・・・。」
そう言ったとき、奥から清楚な格好のファミレスの店員がお盆を両手に持ってこちらにやって来た。
「大変申し訳ございません。ただいまお席の方はあちら側しか空席がございません。今ご案内いたします。」
店員はそうアクセラレータに言うとアクセラレータとラストオーダーを店内の空席に案内し始めた。
「休日となるとこちらの店ではお客様が必ず多くなり、空席の方が少なくなってしまい・・・。お客様に申し訳ないんです。本当に。」
店員はそう明るく前を向いたまま言ったがアクセラレータにとっては特にどうでもいい話だったので軽く応えるだけにした。
「あっそ・・・・・。」
「こちらの席です。どうぞごゆっくり。」
店員はそう言って会釈してその場を後にした。窓際にラストオーダー、椅子にアクセラレータが座った直後、ある事にアクセラレータは気がついた。
「偶然なのか偶然じゃねえのか。ある意味スゲーな。オイ。」
彼がそう言うと同じく気づいたラストオーダーは同意したように驚く。
「本当にびっくりだね!ってミサカはミサカは同意してスゴく驚いてみたり!」
テーブルに見覚えのある傷がある。ほとんどの事が興味の湧かないで、記憶しようとしないアクセラレータでもなぜかその傷を偶然ながらも覚えていた。彼らが座った場所は・・・かつてラストオーダーにアクセラレータが食事を奢ってあげた窓際のあの席だった。偶然にもここだけが空席。まるでラストオーダーとアクセラレータが戻って来ると予測したかのようにそこだけが空いていた。
「・・・・・。」
テーブルの傷を見て視界を戻すととラストオーダーと目が合ってしまった。アクセラレータは勝手に目を逸らしてしまった。この場所にかつて・・・ラストオーダーを高熱のまま放置してしまった事を思い出してしまったのだ。
「・・・・・あっ!そういえば!ミサカを置き去りにしたよね!?ここに!酷い目にあったとミサカはミサカは突然思い出したのでそれを言う事にする!」
ラストオーダーもアクセラレータが何故黙ったのかに気がついたのか突然声をあげた。
「でも・・・ミサカは怒っている訳じゃないよ!だってアクセラレータは・・・助けにちゃんと来てくれた!それは本当にミサカは嬉しかった!本当に・・・本当に今でも貴方に付いていって正解だったと感じる。こんなに優しい人初めて見たもん!ってミサカはミサカは忘れていた過去を思い出させてくれた貴方に感謝してみたり!」
そう、ラストオーダーは初めに言った事を貴方が悪いって言っている訳じゃないとアクセラレータに必死に説明した。それを聞いたアクセラレータは逸らしていた顔を戻し、ラストオーダーの顔を見る。ラストオーダーはさっきまでの浮かれていた表情ではなく真剣な目でこっちを一直線で瞬きせずに見ていた。この事に偽りは無い。そう言っている事がよくわかるような表情をしていた。
「・・・・・お前は・・・・・」
そう、アクセラレータが言いかけた瞬間。
「ニャー。」
「?」
動物の鳴き声がする。その事に気がついたアクセラレータは足下を見た。やはり猫だ。つぶらな瞳に茶色の毛並みをした猫。
「あん・・・・・?なんでファミレスに猫がいんだよ・・・・・。」
「わー!すっごく可愛いってミサカはミサカは興味津々で見つめてみたり!」
とラストオーダーは触りたそうにその猫を眺めていた。その時。
「スフィンクスー!どこ?どこいっちゃったの?ねー!?」
店内で誰かが声を上げている。アクセラレータは突然聞こえたその声になにかしら聞き覚えがあった。
「?・・・この声・・・どっかで聞いた事が・・・。」
「あ!スフィンクス!やっとみ・・・あ!貴方は!」
「?!・・・お前・・・。」
その少女は探していた猫よりもアクセラレータの方にびっくりしていた。少女はかつてアクセラレータと共同でラストオーダーを探したという少女にとってアクセラレータは知り合いの人物だっだからだ。こんな所で会えるとは思わなかったのだ。アクセラレータも少女の事を良く覚えていた。ラストオーダーを救ってくれた少女として。
「なんでこんな所に居やがる。お前の前探していた連れとかはどうしたんだよ。」
「んー?トーマの事?・・・・・また行方が分かんなくなっちゃった。」
「行方が分かんなくなっちゃった。じゃなくてテメー自身が行方不明になってんだろうが・・・。」
アクセラレータは呆れたように言う。以前もそうだった。せっかく少女は居場所に帰ったのに何故かまた木原数多との戦闘の場にアクセラレータに会う為に戻って来た。それもただ単にポケットティッシュを借りたアクセラレータに返す為だけに。
「・・・・・はあ。どうせお前は再び迷子になってんだろ?とりあえずここに座れコラ。お前に助けられた借りを返す。お前の連れが来るまでここに居ろ。」
「むー!私は迷子になったんじゃないんだよ!これでもちゃんとしたシスターだし!」少女は風船のように頬を膨らませて怒った。
「はいはい。何でもいいから早く座れクソガキ。借りを借りっぱなしってのも俺は嫌だからな。テメーを元の居場所に返す。だから座れ。まずは。」
「・・・・・ねー・・・・・。私完全無視!?ってミサカはミサカは泣きそうな顔で言ってみたり!!!!!」
ラストオーダーも若干なれどアクセラレータに無視されて怒っていた。
「あ〜!うるせえな!!!・・・・・クソガキ共が・・・・・。」
アクセラレータは疲れたように一言そう言った。



彼女の名は『インデックス』という。白き修道服を身に纏い、白き帽子を被り、巨大なピンで服を接合している修道服を主に着ている。かつて危険な所を上条当麻に救い出され、それ以降上条の家に居候している。彼女の脳には103000冊の『魔道書』と呼ばれる物が入っており、たびたび危険な目に遭う。その103000冊の書物保護の為のカロリー消費の為か、彼女は毎日、無茶苦茶に食物を欲しており、自らは魔術サイドでにいて、科学の事に疎いため上条がいなければ科学側では食べ物が獲られないという緊急事態に直面する。だがそれでも彼女は上条と厚い信頼関係を築いており、決して上条の元を離れる事はない。逆にインデックスが危険な目に遭遇している場合、上条は真っ先に救済に向かい、全ての悪を正義を持ってぶち殺す(粉砕)する。



「ねえねえ。結局貴方は無事助かったんだよね?体の方は大丈夫なのかな?」
「全然平気だよってミサカはミサカは大丈夫さをアピールしてみる。」
会話が弾んでいる。お互いの性格が似ているからなのだろうか。時折笑顔を見せては手のひらを使い、何かしらの再現をしようとしたり。和ましい雰囲気だ。だがそんな中でも1人あんまり機嫌が良くないやつはいた。
「オイコラ。クソガキ共。会話ばかりかよ。なにか食いたいんじゃねえのかよ?」
「この子はスフィンクスっていうんだよー。可愛いでしょ?」
「すっごく可愛くてモフモフしてる!ってミサカはミサカは優しく触ってありのままの感想を言ってみたり!」
アクセラレータ完全無視。流石のアクセラレータもこれにはだんだん不愉快さを示していき、か細い手のひらを強く握りしめて拳を作った。
「お待たせしました。」
「?!」
「あ!やっと来たってミサカはミサカは若干お腹を空かして早く来てほしかったって感情を露にしてみたり!」
何故か既に商品が店員に注文されていた。ラストオーダーは普通に応えて、ラストオーダーの近くに店員は品物をゆっくりと置いてゆく。
「待てコラ!テメエ・・・いつの間に注文を・・・・・」
「どうぞ。」
「あ!やっと来た!よかったね。スフィンクス!」
インデックスがそう言うとスフィンクスは小さく「ニャー。」とだけ反応して再び静かになった。
「・・・・・・・・・・。」
「どうしたの?白いお兄さん。」
「なんでもねえ!っち!クソッタレが・・・・・。」
アクセラレータは若干の暴力でこの事を問いつめたかったが黙る事にした。



アクセラレータとラストオーダーがファミレスにいる頃、警備員、黄泉川愛穂と元研究者、芳川桔梗は学園都市に昔からある古い銭湯に入っていた。
「それで?どうして突然あの子達をお金だけ渡して投げ出すような形でマンションから無理矢理な形で追い出した訳?あの子達に何かあったらどうするの?」
体を洗う為の手ぬぐいを丁寧に折りたたみ、湯船の端に置きながら芳川は黄泉川に聞いた。
「まあこれも私の一種の作戦ってやつじゃん。アクセラレータとラストオーダーの為の。・・・・・これを機にアクセラレータがもう少しだけでも・・・ラストオーダーとか他の奴らに好意を向けれないのか。ラストオーダーに対し、過去にあまり怯えずにもう少しありのままに接する事は出来ないのか。少しだけでもアクセラレータの感情が変化しないのか。・・・・・まあそれを期待してのほっぽり出し・・・ってやつじゃん。」
芳川の真似をしながら手ぬぐいを折り畳み、畳んだ手ぬぐいが湯船に落ちないよう頭に乗せて、湯船の壁に横になりくつろいだ。
「・・・・・愛穂。この作戦、本当は何一つとして貴方は何も考えずにアクセラレータ達が暇そうだからちょうど良い機会。その暇を潰してやろうってことで話しかけた。でもアクセラレータがその事に予想以上に怒った為に愛穂も怒って、いつまでも収拾がつかない為に無理矢理、収拾をつけてほっぽり出したらその後どうして良いか分からなくなった。・・・・・これは違うの?」
「ギクッ!」
突然の指摘に黄泉川は湯船の背もたれからずり落ちて湯船の温泉水を飲み込んでしまった。
「ゴホッゴホッ!!!そ・・・そんな訳・・・ある訳ないじゃんよ!ちゃんと私が計画を立てて、それでちゃんと・・・」
「ほんとかしらね・・・・・。」
半ば、じと目に近い目で芳川は黄泉川を見た。
「ちょ!桔梗だってこの事話したらうんうんって納得したじゃんよ!なんでまだ疑いの目をこっちに向ける必要があるのかじゃんよ〜!」
「・・・・・フッ・・・まあいいわ。あの子達ならなんとかなるでしょうし。大丈夫か。さて。私ちょっと逆上せそうだから・・・先にあがるわね。」
そう言うと芳川は手ぬぐいを拾って更衣室に向かった。
「・・・でも愛穂のこのやり方は確かに良かったかもね。これ位しないとアクセラレータは決して動こうとしないだろうし、それに・・・何一つとして変わらない「今」がこれを機に何かが少しでも変わるかも知れない。そう考えると・・・ね。」
芳川は一瞬、心配そうな表情になったが、すぐに元の表情に戻る。
「・・・・・まああいつらなら適当に言ってなんだかんだで楽しんでいるだろうし。大丈夫じゃんよ!特にラストオーダーとかは適当にアクセラレータを引っ張り回すだろうし。なにかあれば私がすぐになんとかするからじゃんよ。」
黄泉川も湯船からゆっくり出て来てそう大丈夫そうに言った。
「そうね・・・・・。」
黄泉川からそう言われ、芳川は安心感を得たのか笑みを若干零した。



「で?次は何処に行きたい訳?ってかもう俺帰っていいか?ダルい。」
「だ〜め!ってミサカはミサカはわがままキャラマスコットのようにアクセラレータの腕に張り付いてみる!」
そう言ってラストオーダーはアクセラレータの腕に絡み付く。
「色々食べさせてくれてありがとう!トーマからさっき連絡があったんだよ!待ち合わせ場所は地下街!じゃあね!白いお兄さん!」
「あ?・・・・・ああ・・・・・。」
そう言うとインデックスは一目散に地下街に向かった。
「あの子すっごく元気そうだった!すっごくミサカは安心した!ってミサカはミサカは憂いの感情を吹き飛ばしてみたり!」
「ほんとに元気な野郎だぜ全くよ・・・。ハンバーグセット7つ平らげるとかばけもんかよ。あのガキ。」
「あ!でね!ミサカが次に行きたい場所はここなのってミサカはミサカは楽しく言ってみたり!!!」



ラストオーダーが楽しめにポーチから出した地図を眺めている時、アクセラレータは黄泉川に言われた事を思い出していた。
「暇そうにしてるな。アクセラレータ。外に行くってのは無いのかじゃんよ?」
「あん?・・・・・用もないのに外行ってどうすんだよ。アホか。それに俺が不用意に外に行っている間にここがアンチスキルとかのクソ馬鹿に襲撃されたらどうすんだよ。」
この返答に黄泉川はムッとした。
「まだそんな事言ってるのかじゃんよ・・・!あんたがここに来た時から言ってるけどこれでも私は警備員隊長じゃん!そんな簡単にアンチスキルに襲撃なんか受ける訳ないじゃんよ!仮にも私は学園都市の治安維持活動者。ここを襲撃なんかしたらアンチスキル共も確実に捕まるとかっていう事を最低限は分かっているはず。そんな面倒ごとは避けたいはずじゃん。いくらあいつらでも。」
黄泉川は若干怒ったようにそう言う。アクセラレータはその事に激しく反論した。
「だからこそじゃねーかよ。そうやって隊長だから。警備員だからとか、捕まえるから、治安維持活動者だから、面倒ごとは避けたいはず。そんな仮の安全のレッテル貼っているだけで自分の身を守れるっつう考えが甘いっつてんだ!!!アンチスキル、学園都市を舐め過ぎなんだよ!黄泉川!!!束になってクソ馬鹿共がかかってきやがったらお前等だけで対処できんのか?出来る訳ねえだろうが!いくらお前でもな!」
激しく反論した。かつて自分がやって来た事を考えればここが襲撃を受けるのはほぼ間違い無い。そう考えるとアクセラレータは色々と安心できなかった。ここが襲撃される。それだけは絶対に避けたい。アクセラレータはそれを最も恐れていた。だが何故それを何故最も恐れているのかが分からない。なぜ(ここが襲撃される事を最も恐れている)のか。居場所なんぞどうなっても構わないはずだ。壊れようが壊れまいが。違和感ばかり覚えて更にアクセラレータは反論を繰り返す。
「とにかく俺は必要最低限の事象が起こらない限り、外に出るつもりはねえよ・・・。勝手な事ばかり言うんじゃ・・・」
「ドゴォ!!!!!」
「ぐお!!!!!?」
黄泉川の鉄拳がいきなり下った。突然の不意打ちに何が起こったか分からず、アクセラレータは気を失った。
「・・・・・アクセラレータ・・・・・アクセラレータ・・・・・!」
誰かが俺を呼ぶ声がする。・・・・・ってかそもそもになんで俺は目を閉じてんだっけか・・・・・ああ!!!
「黄泉川ーーーーーッ!!!!!」
アクセラレータは全てを思い出したかのようにがばっと起き上がり、激高した。起き上がるとそこは黄泉川のマンションの扉の前だった。頬にわずかながら痛みがある。まさかとは思うがこの俺を殴りやがったのか・・・?あの野郎・・・!!!
「ア・・・アクセラレータ・・・。」
「あん!?!?」
何故か横には涙目になったラストオーダーがいる。これは一体どういう事なのか。
「黄泉川!テメェどういうつもりだコラァ!!!ここを開けろ!!!」
アクセラレータは激しく玄関のドアを叩く。アクセラレータは更に気づいた。黄泉川がアクセラレータに渡した黄泉川の家の鍵が手元に無い。一体どういうつもりなのか。
「ラストオーダーに今日一日!付き合うじゃんよ!」
ドアの向こうから小さく声が聞こえた。付き合う?今日一日!?何を言い出すんだコイツ。しかも俺を殴るとは・・・・・。
「どういうつもりだコラ・・・テメエ・・・。」
アクセラレータが言葉の意味を聞くと返答が返って来た。
続く